事業承継

事業承継の場合分け

事業の承継先は、大きく分けて親族と親族以外に分けられます。また、法人経営であるか個人事業かによって渡す財産が異なります。

親族内の承継

親族内の承継であれば、渡し方、渡す時期が論点になります。
渡し方は、事業用財産を贈与するか・譲渡するか・相続させるかの検討が必要です。

贈与

通常、後継者は充分な資金を持っていないことが多いので、贈与は実行しやすい対策といえます。
しかし、贈与を選択した場合にも弊害はあります。それは、後継者が後々の相続の際に取得する財産が少なくなる場合があるということです。
相続の遺産分割の際に、贈与を受けた後継者は先代からの特別受益があったものとされ、(えこ贔屓のようなものです。)相続人同士の遺産分割協議の際に不利になることがあります。 後継者以外のお子様に対してバランスが取れるように財産を贈与する、また、自社株の贈与は遺産分割協議から除外するなどの対策が必要です。

譲渡

次に、譲渡におけるメリットは、渡した側の先代がまとまった老後資金が得られるということです。デメリットは、贈与とは逆に後継者に買取資金が必要ということです。

相続

最後に、相続におけるメリットは相続による財産評価で特例が使える可能性があるということです。特に土地については、小規模宅地の特例等により相続税が軽減されることがあります。譲渡税を支払うより税務上有利になることがありますので検討が必要です。

渡す時期

渡す時期は、後継者が本当に自院の後継者として相応しいかどうか・渡す財産は値上がりするものかなどの検討が必要です。


親族外の承継

親族外の承継であれば、贈与・相続は基本的にありませんので、譲渡により事業承継を行います。
この場合には、譲渡金額の値決めと契約内容の検討が論点となります。
譲渡金額は、カルテ枚数、譲渡する設備、譲渡する医院の経営状況等に基づいて決定されます。
また、親族外の承継においては、事後的な費用の負担などでトラブルが起こる可能性があります。事業承継の前に契約内容を詳細に確認しておく必要があります。

業務内容

私どもは、経過措置医療法人の出資金の贈与・譲渡をする際の時価の算定業務、将来の相続税額の試算などを通じてクライアント様の事業承継をサポートいたします。
また、親族外の承継については各種届出の作成についてサポートいたします。